メキシコへ。〜その7
標高7,000フィート(2,000メートル以上)を超えるエリアへ。
朝晩は肌寒く、寒暖差による霧が広がっている森林地帯です。
日本ではあまり見ることは無いティランジアが多数ありました。
大型で美しい品種が沢山ありますが
おそらく高温多湿の日本での栽培は難しいと思われます。
日本の夏の気温40度なんて、この標高で生きてる植物には過酷ですよね。
T.carlos-hankii
40-50cm程度の比較的大きな品種ですが
種のみで増えるとのことで貴重です。狭い範囲に群生しています。
T.kalmbacheri
僕も本物は初めて見ました。
ドイツ人が発見した緑色の花序が特徴的な品種。
日本でも人気の交配種T.’Samantha’の親と言えば
分かる方もいるかもしれません。
サマンサが日本の夏の暑さで傷んでしまう原因も
これで腑に落ちました。80cm程度ある大きな品種です。
T.oaxacana
みんなで松林を捜索すること小一時間。
ようやく撮影できた一枚。確認できたのは数株のみでした。
20−30cm程度に成長し、紫色の花が下垂するとのこと。
通常市場流通しているオアハカーナとは違います。
この辺りの少数民族が暮らす村には
これといった産業がなく生息林の乱伐が進んでいるとのこと。
実際大量に材木を積んで走るトレーラーと何台もすれ違いました。
世界中どこの途上国でも行われていることですが
絶滅の危機にあるティランジアも多数あることを実感。
珍しい植物を求める欲望と絶滅や乱獲から守る必要性
僕自身もプロとして植物を扱う人間の一人として
その矛盾やエゴについて真剣に考えて置く必要があります。
今回の旅でもストリートチルドレンにも多数遭遇したし、
一方で旅の途中で裕福な白人達にも沢山会って
自分の中でも答えの出ないモヤモヤ感と宿題をもらってきました。
でもこの矛盾感を忘れてはいけないとはずっと思っています。